冷却水が漏れるサブタンクの傷を最適化する

冷却水の漏れに挑む試行錯誤シリーズ3。
傷の完全修復を断念しパーツを探しながら
中継ぎ・最適化に目覚めたリペア迷走劇。

思い起こせば、通作のたびにサブタンクを外して補修を繰り返した夏。面白がって記録を残すのもできない状況に陥ってたわ。同時に申請を進めていた「家賃支援給付金」は9回も修正したし。49歳になりたて、おれの夏は修正の夏かよ。

さて、ちょい前をふり返ると、あの時ひらめいたプラスチック溶接は、期待度が高かっただけに残念な結果だった。傷そのものを埋める意気込みが、これまで何度も往復してきた、上っツラの補修にとどまってしまった。傷を慎重に埋めないと、熱膨張の圧力でLLCは必ず吹き出すのだ。

あ。そうそう、このエッセイ。しつこいですが
前回からの続きで、3部作目ですね。まずは
プラスチック溶接の施工を振り返ってみるよ。

タンクの表面を半田コテでならす。

ナイロン樹脂を盛りつけた。

溶接は強そうだが、ナイロン樹脂を繋ぎに使ったので、一体形成でなく改善には至らなかった。LLCの漏出を抑えるためには、溶剤や異素材をはさむ「接着」ではなく、高度に「密着」させることが修理の決め手になると思う。

このサブタンク修理。試行錯誤が続いており、
このままだと、やたら記事が増える顛末です。
それは避けたいので、要約してUPします

ちょっとした傷を塞ぐつもりが
完全に行き詰ってしまっ
た。

分析する論理的思考を失った挙句、現実逃避なイメージが湧き出す。活火山の噴火口で均衡を保つカルデラの力学に解決の糸口があるのでは?と、たいした裏付けも無く、作業を開始。

こんな感じで。

何を信じたかったのか。はじめに傷に対して、バスコークとゴムで傷を埋めてみた。

そのあとクレーターのように傷穴を囲んでJBウェルドを盛る。その内側にバスコークを追加。

たぶんこれ。サブタンクを地球に見立てたら、内部から吹き出すLLCは溶岩、そのあと内圧を抑えて、できたクレーターのような尾根とカルデラの盆地。である。

しかしだ。

噴火でせり上がった尾根は、大地の一部であり一体形成なのに対して。サブタンクの地表にできたJBの尾根は異素材かつ、後付け盛り合わせした堤防のようなもの。決してせり上がった訳でない。これが致命傷となり、盛ったJBとサブタンクの境に漏れたLLCが流れ込み、カルデラ堤防が崩壊。運転中にLLCダダ漏れの悲劇ww

この連載で最も思考力を欠いた
見るに堪えない、失敗となった。

やはりバスコークでは傷の深さにはアプローチできなかったようだ。←だから、イメージじゃなくて、ちゃんと分析せな。ちゅうねん。

お次は巡りめぐって、原点回帰してバスコークの丁寧な施工(←懲りてないよね)アプローチできなかった傷にはきっちりゴムだけを詰め、表面にバスコーク。そして粘着性の高い「セメダインハイパーX」という接着剤を導入して、漏出を防ぎ、表面をPET素材で固める作戦。

めちゃめちゃ粘りの強い「ハイパーX」は畑で酷使するゴム長を補修するのに使っていた。写真でも判るが、指とかパッケージに付着すると剥がれない。それほど、水や泥など過酷な環境でも、補修すると半年は使えたこと。特に水に強いので、この作戦に抜擢してみた。ゴム栓は、ほんのちょっとした隙間があるだけで漏れる。一度もれると強度が下がり、バスコークに水泡ができ、破れるとダダモレ。

当初、傷にあわせて加工したゴム栓。その後、
下向き先端、傷に対して希薄な所から漏れた。

そんな結末も知らず。ゴムを詰めて
バスコークにハイパーXでPETを貼る

ハイ。と言う訳でゴムが希薄だった
右端からLLCが漏れて激しく損壊。

さぁ 施工のポイントは絞られた!

傷を埋める「ゴムの加工精度」の領域に突入☆けっして暇な身分ではないが、数日かけて ゴム栓のバージョン違いを三度ほど試す。傷の深さにあわせ、トライ&エラーを繰り返し、少しずつ漏出が軽減。先述のとおり、器用に細かく加工したゴム栓は、かえって密着を生まない原因になると気づいた。わし。

整えるのはゴムではなく、本体の傷だ!

意地でも傷口をピッタリ塞ぐため、敢えていびつな傷口を馴らし広げ、ゴム栓をぐいぐい押し込みやすいように、まるで硬貨が投入できそうな形に削る。あんなにこだわったバスコークも要らないw 最終的なゴム栓の形は、傷にピッタリはまる、3ミリ厚の細長い長方形に落ち着いた。接着剤も使っていない。

失敗の連続で導きだしたポイント

イ. 接着ではなく、密着ありきで考えよ。
ロ. 歪な傷に合わせて、ゴム栓の加工すな。
ハ. あえて傷を削り、均等なゴム栓を作れ。
ニ. 密着さえできれば、接着剤は要らない。

ゴム栓を外側から固定する、ハイパーXはかなり踏ん張ったが、漏出負荷に耐えられず水泡を作った。表面のPETは、あんまり意味ないようなので却下。

ゴム栓の大きさに合わせた傷を作り、ゴムをぐいぐい押し込む。その後はもう、JBウェルドだけで、がっちりゴムとタンクの表面を固定してしまうことにする。

何度も見たJBウェルドの盛りを乾燥させてテスト運転。凄いことに、じんわりしみ出す程度まで回復した。それでも運転前はLLC(補修中は真水で代替)の補充は必要だけど、最適化としては充分かも知れない。

精度の高いシンプルなゴム栓を作れば、
部品交換まで、時間を稼ぐのに向いてる。

いやーもう、これ以上うまく治せたとしても耐久性は低く、再発は必至なので、絶滅危惧種の代替パーツをebayで探し出して注文。今回はモスクワに近い、リトアニアからの取り寄せになります! 最後に辿りついた工法を繰り返しながら、JBウェルドとおなじように首を長ーくして待つ。

これで、中国のブロアレジスタ→トルコのワイパーモータ→英国のタベットカバー、JBウェルドなど、世界から取り寄せた部品にリトアニアが加わるというw世界の物流を駆使した車のメンテナンスは「何もなくて当たり前、何かあったら一大事」という地味なミッションを派手に遂行している。それは、農園の管理や文化財の警備にも繋がっていて、誰かがすごーく喜ぶ訳でもない、あたりまえの日々を永続させるために、巡回の地図を描き、歩くことなのだと、思っとります。

リトアニアからサブタンク到着です!

修理を施していたパーツは錆の沈着がひどかったので、クーラントをぬいて、錆を出し切るまで、暖気運転しながら水を循環しながら排水する。ヒーターコアにも冷却水が回るので、忘れずに暖房を最大にして作業すべし。錆の排出がなくなるまで、冷却系統を洗浄したら、リトアニアのパーツに交換です。

そんなこんなの修理3部作が完結しました。
新品に適うものナシ。めでたし、めでたし。

パープルシーズンの到来〜☆がっつり芋ほり!
芋づるリースのワークショップ受付中です(*゚∀゚)

☆★ Have a fan!! ★☆