躯体は旧くても、オーナーとの関係がハイブリッドな車というものがある。また逆にハイテク装備と高齢者が、ハイブリッドな負の関係を築いてしまう車両もある
これはきっと、オーナーとクルマで交わされた
意識と波動の記録だ。まぁ講釈はさておき。
人智は道具の未熟さを越え、その人智によって
道具の愚かさを引き出してしまうこともある。
そーゆーこと。
ウチのオペルアストラは旧い。平成7年生まれで、当初は外車ゆえ電気系統やら何やら、いちいち故障が多いと揶揄されたが、実際不具合が出るまで、中古だったにも関らず購入から5年位は大丈夫だった。その後エアコンの効きが悪くなり、毎年一個ずつ、劣化した部品を変えるようなかんじ。それに対してボディのヤレは早かった。当時、あとどのくらい乗れるか未知数だったので、見積もりで12万以上する再塗装は控え、いずれ始まる車検や劣化部品の更新に備えた。
その代わり、ボディに安価なラッピング処理を施した。初めての施工で手間取りちと苦い思い出だ。最初に施工したラッピングは12年ほど経ってるではないか。耐候年数は5年だぞ。いまやフィルムの表面に亀裂が無数に入って、早う剥がさねば、新規施工を壮絶に上回る、めちゃくちゃ面倒な作業になる。と、怖気づいてまた数年ww
ついに、この8月くっそ暑い団地の駐車場で、
12年前にまとったラッピング除去に踏み切る。
おー。ツヤツヤじゃん。懐かしいww
12年まえ使用した、オラカル社の最もスタンダードな 651フィルム。3M社のフィルムよりちょっと厚めで、接着面も強いので、はじめて施工したときは慣れるまで大変だったな。今となってはメーカー耐候年数の5年をとっくに越え、細かく刻まれた亀裂が迷彩のようだ。12年て、あーた。どこの車好きが、こんな壮大な実験するのだろうか。
これは覚悟して、いま始めなければ!
そりゃ気の遠くなる作業だが、無自覚で不本意なカーライフを避けたい(笑)ならば車の表面が高温になり、フィルムが柔らかくなるこの夏こそ除去チャンス。施工したフィルムは消耗品(当然ww) と割り切って、3~4年で張り替えた方がいいぞ。塗装の質感とはまた別の楽しみがあるし、作業ごとに腕も上がるしデザインも変えられる。12年の実験で細かく千切れたフィルムを毛抜きでピックしなくて済む。
というか。
主要な部品をひと通り交換して、まさか2023年まで乗ってるとか考えなかった。むしろ手に負えなくて手放すのが先になると覚悟していた。メンテナンスを導く対話とイマジネーションを繰り返してきたせいか、彼との付き合い方も分かってきた。そんなハイブリッドな関係です。
さあ。灼熱のラッピング除去ww
冷えると硬くて剥がれないが、今なら
柔らかくムリムリ剥離できるではないか。
細かく亀裂になったとこはプチプチと
千切れるので毛抜きピンセットは必須だ。
インパクトドライバーにセットできる高速回転の消しゴムでグリグリ擦って剥がすのもアリだけど、手で引き剥がす方が達成感あってオモロイかも。ヤッてるうちに乗ってきた。なんか炎天下の草刈りと似てるぞ。どっちも始めるまでがしんどい(笑)ではないか。
なかなか時間は掛かるが、この調子で
フルラッピングをコツコツ剥離するぞー。
車の調子が安定しているうち、見た目も
綺麗に整え、自覚ある旧車オーナーの
風格を醸しておきたい。ドヤな感じで。
ヤナセ限定300台の生き残りらしいです。
1995年OPELアストライルムシャーモデル